頭蓋底チーム手術

 頭蓋底チームによる頭蓋内外に跨がる腫瘍の摘出

東京医科歯科大学在任中は、頭頸部外科、形成外科とのチーム医療により、頭蓋内外に跨がる腫瘍の摘出（広範囲頭蓋底腫瘍摘出術）を行ってきました。

2001年から168例になります。難易度の高い、大きな腫瘍の手術例がほとんどでした。

師骨洞、前頭洞癌、側頭骨腫瘍の一塊切除、鼻腔、側頭下窩に進展した頭蓋底髄膜腫、頭蓋底脊索腫、軟骨肉腫、側頭下窩に進展した三叉神経鞘腫、頸部に進展した頸静脈孔神経鞘腫などの摘出手術です。

創部感染症や、視力・視野障害などが一部の症例でありましたが、大きな合併症はなく手術死亡もありません。頭蓋内に進展する大きな若年性鼻咽腔血管線維腫は、最も難易度の高い手術です。

側頭下窩からの視野と翼状突起根部への浸潤腫瘍の摘出、海綿静脈洞からの剥離により、内頸動脈からの多量の出血を伴う浸潤性血管線維腫を全摘出することが可能になりました。各地からこられた患者さんは無事お帰りいただくことができています。